お父さんと上の小さなお子さんへ寄り添うことについて

産後ドゥーラになってこの夏で2年が経ちました。

これまで産前産後の時期のご家族をサポートさせていただく中で、多くのことを学ばさせていただきましたが、特にこの9月は印象的な学びがありましたのでぜひ書き残したいと思い、このたびのご依頼者様に許可を得て体験を記載しています。(長文です)

こちらは9月のドゥーラごはんダイジェスト。お作りしたお食事の数だけ、ご依頼者さまとの思い出が浮かんできます。

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この9月、ドゥーラになって初めて午後のサポートのご依頼をいただきました。

午前のドゥーラサポートの場合は、上のお子さんがいらっしゃる場合でも保育園や学校に行っていてお家に不在のことが多いため、ドゥーラが作業中にお母さんに少しでも休んでいただく、または傾聴しながら家事・育児・母親のサポート。という感じが多いです。

そして午前とは違って、午後のドゥーラサポートの場合。上の小さなお子さんがいらっしゃる場合は一般的に大体3-4時頃に保育園から帰宅して、夜にお父さんが帰宅する手前まで、お母さんにとってはお子さんの人数が複数になる激動の数時間。ドゥーラは上の小さなお子さんのお相手もしながらの家事・育児・母親サポートをします。特にお子さんがお2人目以降で、上のお子さんがまだ小さい年代のお母さんはご自身の体力回復もままならないうちに、複数のお子さんのお世話を同時にするため、本当に大変です。ドゥーラは更にお母さんに寄り添うことが重要になります。

ちなみに、こちらの記事。『育児疲れで晩ご飯が作れない』って妻が言うから実際に検証してみた ある夫が産後間もない妻に代わって一人で丸1日赤ちゃんをお世話した奮闘記。それはそれで素晴らしい体験なのですが、更にお子さんが2人(特に上のお子さんが1-3才)になった場合のお母さんのご苦労は計り知れないものがあります。

話が少し脱線しましたが、ここからが今回のポイント!

ドゥーラの使命は「お母さんに寄り添う」ですが、「家族みんなに寄り添うことが、結果としてお母さんに寄り添うことになる」と学んだ出来事です。

産褥期ってお母さんも大変だけれど、それにまつわる環境の変化を受け入れるご家族も意外と大変。もしドゥーラが一緒にいたら次のようなことも可能かなと、今回サポートしながら思いました。

上の小さなお子さんが保育園から帰って来て、お母さんに甘えながら過ごすおやつのひとときをセッティング◎
お母さんとの連携プレーで、上のお子さんのお腹にたまるような簡単・米粉おやつを作っていました。保育園に行くようになった上のお子さんは、家にずっといた時よりも活動量が増えてぐっとお腹を空かせて帰ってきます。乾き物の軽めなおやつだともの足りなくて食べ終わってからもっと欲しがることもあります。家に帰ってきたら、まずはお腹にたまるようなおいしいおやつを食べながらお母さんに甘える。お腹と心が満たされた後は自分で遊び始めたりして、その隙にお母さんは赤ちゃんに授乳したり、自分の好きなことをしたりできますね。

◎「イヤイヤ期」と呼ばれる2才前後のこどもが発するメッセージをキャッチする◎
自分もまだ小さいのに、ある日弟・妹が生まれて、今まで100%自分に向いていたお母さんの意識がそうじゃなくなっちゃう。妊娠出産に伴って保育園デビューが始まったりして、それはそれで必要なことなのですが、短期間での環境の激変に上のお子さんもストレスを感じることがあります。
まだ大人が話すようなことばで表現できないことで自分の思いが周りの人に上手く伝わらなかったり、欲求がワガママと受け取られて通らない時に起こす癇癪。(まぁ、本当にワガママを言ってる場合も時にはありますが) 
でも、数日間一緒に過ごして上のお子さんをよーく見ていると、その瞬間ごとに確実に伝えたいメッセージがあることに気づきました。「ぼくはちゃんと言ってるんだからわかってよ!」って。そのメッセージを見逃さないでいると、ちゃーんと納得してくれて、次第にその子と私(ドゥーラ)のコミュニケーションが円滑になっていきました。でもそれって、よく考えたら当たり前のことで、大人も子どもも関係なく自分の伝えたいことが伝わったら嬉しいですよね。

もしも上のお子さんが長時間グズる時 (ギャン泣き) があっても、その時間と空間をお母さんとドゥーラが二人で一緒に分かちあって「あー、こういう時って大変ですよね。仕方ないですねぇ。」なんて色々話しながら過ごして、さり気なく上のお子さんの好きなものも夕飯に作って、ふとした瞬間に台所へ遊びにきた時に口に入れてあげたり。それで上のお子さんがニッコリしたら、私も心の中でガッツポーズ!です。

◎お父さんが家に帰るのが楽しみになるメニューを一品作る◎
「産褥期は母乳にいい奥さん寄りのヘルシーなごはんを俺も食べるぞ」と宣言している優しいお父さんも、やっぱり人間だからちょっと濃い味のものやこってりしたものが食べたくなる日もあります。そういったご意見をいただく場合は、いつも最後の味付けの手前で半分に分けて、お母さん用とお父さん用に分けて味付けをしていました。
お父さんのテンションが上がって、少しでも早く仕事を終えて家に帰ることのできる、小さなきっかけの一つになるなら、母乳に良いお食事の中にそういうメニューも一品は入れると喜ばれるかなと思いました。時々、直接お父さんから「いつもごはんが楽しみです。メニューの中に自分の好きな辛い味のものもあって嬉しいです」とご感想をいただくことがありました。夕食で得た満足感で帰宅後の育児もパワーアップ!?

これらのような一見小さな工夫でも、ご家族みなさんが産後の時期に少しでも快適に過ごしていただけるなら、家族は運命共同体ですから、結果としてお母さんの手助けにもなれることなんだなと感じました。

最後にもう一度。

ドゥーラの使命は「お母さんに寄り添う」ですが、「家族みんなに寄り添うことが、結果としてお母さんに寄り添うことになる」と学んだ出来事です。

また、今回のサポート最終日にお母さんご本人が「話ができたこと、聞いて受け止めてくれたことが嬉しかったし、森さんが来てくれて産後が楽しかった」と言ってくださって、とても嬉しかったです。これからもがんばりたいと思います。

2015-10-05 | Posted in 2. ドゥーラ日記No Comments » 

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